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にっき

日記

宮本 百合子

27 一九四四年(昭和十九年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 62,807 字 · 126 页

青空文庫

九月十六日

九月十七日

雨の中を、つんぼの老父が白い風呂しき包みを背負い、ゲートルをまき、息子はカバンを下げ包をもち。何か女親のいない、女房のいない老年と少年の生活を哀れふかく見た。

瀧川さんのモンペ地を見るために、家庭購買組合へゆく、かえるのを国待っていた由。

夜十一時ごろ、大グロッキーになって帰って来る。すっかりしまったものを村田に出してやったとのこと、そうしてやるしかないのは分っていた筈のようだが。

開成山までの切符を買って来た、これは大満足らしい。

〔欄外に〕『風に散りぬ』第二巻。

スカーレット・オハラという人物に同情を感じ、作者は熱をもって描いている、戦禍というものの形が実感に訴えて来る、身につまされる。作者ミッチェルの精力的な性格が益※(二の字点、1-2-22)発揮されて来ている。

九月十七日(日曜)風のち雨

順子さんのところへ十一時半頃から出かけて、本の整理を午後一杯やる。順子さんの読みそうなの、保管しておくべき分と。随分ある。

ジャーナリズム関係の人の本というものを興味ふかく感じた。結局送るのも余り大仕事、という気もちになる、一日本をいじった揚句の疲れた夕刻には、そうしか思えなくなるとも云える。