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にっき

日記

宮本 百合子

27 一九四四年(昭和十九年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 62,807 字 · 126 页

青空文庫

五月二十一日

そのとおりでやっとありつく。ガラ二つ売ってくれた30銭也。

気焔あげている洗場の件につき。

○パン二斤とって来月の手配してかえる。

○巣鴨のかえり目白へよろうと、さち子さんの陣中見舞として咲のこしらえた筍めしもってゆく、むさしのが四時から駄目なの思い出して、棒にふって先へゆく、病人はさち子さんなり、クルップ性肺炎だった由。夕飯たべているところへボーがなり「警報じゃないでしょうか」私たちそうじゃないと云っていたら、林さんが「佐藤さん佐藤さん、警戒警報発令ですからお伝え下さい」

〔欄外に〕

大あわてでかえる。それから一寸したくして、自分のものをまとめていたら三時になった。飛行機の音なんかちっともしない。

五月二十一日(日曜)雨

咲、子供とはなれていてやり切れないと、けさは帰るつもりにしていた。しかし警報中咲が五時間も出てゆくのは余りで、疎開した意味ないから、行くなら男がゆくべきで、俺が行く、と国いう。尤もなり、咲も其には一言もない。其でも証明を貰う丈はしておくと、国行って南鳥島の東方に、かなり大規模の機動部隊の来たことをきいて来る。五六時間の距離だ。重要産業地帯が主で第一種警報の由、大安心。