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にっき

日記

宮本 百合子

27 一九四四年(昭和十九年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 62,807 字 · 126 页

青空文庫

五月十五日

五月十六日

これで一安心した。咲が、重いやら、自分の分が先やらで、いつ迄たってももって行ってくれようとしなかったからよかった。

五月十五日(月曜)

十六日から半月間、うちが月番になる。暑くなってからよりもよいし、ガタガタになってからよりもよい。責任もあるから明日は家にいようと思い、きょう巣鴨へゆく。月曜の上に、立会いが二人きりというので、勇敢な曹長風のガーガー好人物が、俺は進行係なんじゃが、出て来た、と来る。せわしい。そりゃありがた迷惑だね、と笑っている。

『ナポレオンの母』、大分よんだ。面白くなって来た。コルシカの伝統というもので、族長風で、ナポレオンはあんなに愚兄愚弟及び愚妹をひき立てた。コルシカにおけるナポレオンの家は、政治的血統で流れていて、通俗史の「貧しき一士官」などでは決してない。

国、兼松さんのところに泊る。

〔欄外に〕

半開の花びら。

梅かえる。いた丈役に立ったのだが、いないのんびりさは又格別。国も同感の由。

五月十六日(火曜)

〔発信〕巣鴨

歯の神経をぬいたところが、風、湯、水、みんなしみてこまる。いかがなことなのか。

でも、きょうは一日出かけまいとしてことわる。