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にっき

日記

宮本 百合子

27 一九四四年(昭和十九年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 62,807 字 · 126 页

青空文庫

一月二十三日

ああいうところの奥様ポーズというもの、帳場の奥様ジェスチュアと同一である。

かえり緑鮨がのれんかけかけている、山口空腹だろうと思い入る。五十銭、ひどいひどい麦うどんのまざり飯少々にむきみがのっている。

尾崎来。

コタツで手紙をかき富雄、隆治の小包つくる。

夜太郎、二階でねたいという、無理もなし、来さす、キュークツなのとうるさいのとで眠りにくかった。

隆治へ小包つくっていた時、一寸みぞれがふって来た。そこで、ふるさとはみぞれ降るなり弟よ南の国につつがあらすな というのを、かいてやる。雪かと思って心待ちにしたが、あがった。

〔欄外に〕

去年の正月も、国一月は殆ど出勤しなかった。今年は、と思ったら五日と東京にいない。それもみんな寿のおかげというのかと思う。

一月二十三日(日曜)晴天 暖北風

防空演習九時半より十一時半迄、山口、私、梅。山口余り働きものというのではない気質也。のんびりしているのはわるくないが。

午後、神田へ本を見にゆく。マリ・バーシキルツェフの日記の入っている国民文庫刊行会の叢書 56.―と思い、それを買おうとして。今日の記念のために。そしてはり切って行ったら、あにはからんや百がついている。