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にっき
日記
宮本 百合子
27 一九四四年(昭和十九年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 62,807 字 · 126 页
一月四日
一月五日
〔欄外に〕入浴
一月四日(火曜)寒
二日にかいた手紙がついた由。「しわん棒」についての話、はじめて何となく腑におちたような風で、自分のねばりかたがすこし見当ちがっていたことも分るらしい、おもしろく愛嬌ある風だった。うれしかった。そして、そういうとき、ああいう一種の好意を呼びおこす様子の出来る、可愛げのある心が、美しく思えた。
咲国、古沢行。
かえったら寿、来ていた。今夜音楽会、帰れないから、どこかのホテルに泊るという。ホテルなんかに泊らなくたっていいだろう? 二階へおねよ。「面倒くさくない方がいいから。」やがて咲から電話、出て話し、泊る。K帰って来る。「こんにちは」「ああ」と、K笑い顔もしない。
池田小菊の『奈良』をよむ。「甥の帰還」、「鳩」、「縁」は落ち「奈良」更におちる。敬語の出る小説は小説にならない、随筆止りなり。小母さんの小説だ。風格におさまる危険多い人。
〔欄外に〕
ことしはじめてひる間でも三十八度。かいろをしょって出かける。初出。
一月五日(水曜)初雪 寒
きょうはお客日、寿朝六時頃切符を買って十二時頃帰る。自分、片春の来る日で掃除しなくてはならず、いきなり手拭かぶって下りて、見送りもしてやらなかった。