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にっき

日記

宮本 百合子

27 一九四四年(昭和十九年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 62,807 字 · 126 页

青空文庫

四月五日

〔欄外に〕

巣鴨、診断書をよんできいた。「あきれたね」「うらでは気違い扱いにしているんだから」

四月五日(水曜)

△から寿がかりたフトンの風呂敷を入用、えびす影丘という所をさがしてゆく。ひどいところで、爺のうらぶれがすみそうなところ。明月やごらんの通り破れふすま と入り口のひらき戸にかいてある。麟太郎の荒廃だ、Sがこういうところにいられるということ、いるということ、いろいろの感じで気がしずんだ。

四谷へまわり住友で△たずねたがいないというので小使室でことづけたのむ。△のここでの見られかたが感じられた。運転手にいったら「ああ」とあの子かという風。小使も軽んじていていやな気がした。かえり巣鴨へまわる。森長の返事をする。かえり山崎の草履かって来る。近藤夫人、うちが見つかったとか云って見にゆきましたよ、やがて帰って来る。「移動申告したんですけれど」やはり亭主のさし金はその職業のものらしいやりかただ。やりかた万事この式。出るようにしてよかった。塩、みそ、しょうゆ、石ケン、みんなわけてゆく。

〔欄外に〕

ひる頃事務所から電話

「どうして?」

「どうっていうこともないが」