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にっき
日記
宮本 百合子
27 一九四四年(昭和十九年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 62,807 字 · 126 页
七月十一日
七月十二日
仲人だった人たちが来ると云ってハラハラしている。こんな人を縁談でまごつかせるのは本当にツミなことだ。
沢田、すっかり大掃除して、寿の部屋も開けておかれるようにしてくれた。洗濯もの、つけたままになってしまってかえった。
七月十一日(火曜)
巣鴨、おなか工合どうもよくないらしい。一ヵ月ばかり下痢と秘結チャンポンの由。やっぱり結核性のものらしい。よく養生するから心配しないでいいよ。
宮、例の調子で云っているだけよけい可哀想でならない。今度は病人でないことにしようとされている丈万事不便不快で、数年前の時よりこちらの心も切ない。
七月十二日(水曜)
午後から府立家政へ行く。三つの子供が、猩紅熱、チブス、ハイエンとやってもちこたえたというにはおどろいた。細君が又それでもったというのも。
千葉へは行く由。
S、俗っぽい話しかたをする、内容よりも話しかたが。これで俊次さんはうんざりし、何かSは佐藤さんが変った、という。世間に順応しようとしてああいう人だから神経まけして、不自然になっている。可哀そうに。この人の敏感さは受動的で、不仕合せとすればそこが根源だ。俗人にはつよすぎ、つよい人間には弱さが気になる、というたちの女性はとくに日本ではむずかしい。