轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
05 一九三八年(昭和十三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 229,387 字 · 453 页
アパートなども一応考えるが、謂わば往来を区切ったようなものでね、ドアをあける。それっきりではこまります。雑多な人間のいることも種々不便です。アパートは考えられず、林町の離れは前の手紙に書いたようなわけ。夏まではともかくここに居ます。交通のことやいろいろの点を考えるとなかなか動けません。それに、この頃の生活は沈潜して勉強出来るし又するべきときだから、毎日を変に落付きのわるいものにしてしまうことは本質的に非能率ですから。それに私はやっぱりこの辺を大変愛しているのだと思います、ちっともうつりたくない。ですから家のことは当分御心配なさらないで下さい。依然として、この小さいながらもわれらの窓に灯火は輝きつづけてゆくから。
これから当分南風が吹く日が多いが、皮膚のゆるみで風邪をおひきにならないで下さい。寿江子はこの三四日風邪で臥って居ます。どうも大分見舞に来て欲しいらしいが私はすこしつめてやっていることがあるので、机にとりついてつい出かけない。三月三日のお雛様には達ちゃんが女主人でうちの太郎まで御招待です。本間さんの一家がこの節は戸塚ですから子供の日で私は大いにたのしみです。