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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
05 一九三八年(昭和十三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 229,387 字 · 453 页
さて、この間おめにかかったとき、一寸話の中に出たジェネレーションについて。そういう世代的性格の起す現象について。
十三日ごろに書いた手紙では、私としてそのときの判断に立っての感想を語っていたわけですが、あれから後初めて良人である人も来て、その心持というのをききました。自身初めからそういう感情の逸脱の質の低さを十分自覚していて、抵抗出来ず、知られればもう百年目。(親しい友人たちの評価に対しても)双方から身を引いてしまって、せめて苦しさを一身に背負いでもするしかないと思っていた由。白をきったのは、どの顔でそんなことを認める面皮があろうという心持だった由。迚も日の目に当てられるものではないと思っていたとのこと。今日では、そういう考えかたすべてが、自身の感情のビラビラに甘えていたことであるのを感じて居る由。妻である人が、困難と苦痛とを知りながら再び生活を戻したのも、只、そういう性格なのだからと認めるいうのではなくて、そんな性格だから、一人にして自傷的気分の中でいい気にさせておいたら益※(二の字点、1-2-22)仕様のないものになってしまう、そんなところから追い立てて健康な路へ歩み出させようという努力に根底がおかれていることがわかりました。