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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

05 一九三八年(昭和十三年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 229,387 字 · 453 页

青空文庫

というパンフレット式のものがあって、かなりひろくよまれた由なのでそれをとりあえずお送りして見ました。内容のたちがそれで凡そわかるでしょうと思って。『移りゆく日本』は、十一、二円の本ですし又すぐなくなるのだから予約しておきました。『印度年鑑』は本年のはもうなし。来年も入るでしょうと云っていました。予約しましょうか。その方が入手たしかです。『わがオーストリア』は売れたと見えてなし。『ナチとは何か』はユダヤ人問題の側から扱っているらしい、著者ユダヤの人です。どうかしら? この間調べたときはなかった『支那統一のとき』When China unites という本があり、近代の推移から西安事件などにもふれているらしい。興味がおありになりそうでしたら、すこしよく調べましょうか。

きのうはかえって来てから、その小さい本を送り出して、ニューヨークの出版屋へカタログ請求の手紙をかいて、夜は『家族』の最後の部分を読み終りました。非常に爽快なよろこびをもって読み終りました。現実に対する深い洞察から生じている結論、そして確信は、何と人間を鼓舞し、自身の合理性への欲求の自然であることを一層深く肯かしめるでしょう!