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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
05 一九三八年(昭和十三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 229,387 字 · 453 页
十二月十三日
それも亦よろしいでしょう?
では弁護士の件お考えおき下さい。
栗林氏の方は記録をとりはじめ(写し)たそうです。割合早く仕上るだろうとのことです。おひささんが夕飯をもって来ました。では又。自分がカゼひいてグーグー云っているから、猶そちらが気になるという次第です。自分で自分の看護婦をやって本当にそう思います。
あした繁治さん行けるかしら、どうかしら。きょうは風がなくておだやかでした、どうかお大切に
十二月十三日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
十二月十三日 第八十信
きょうはちゃんと着物をつけておき出して机に向って見たところ、頭が丁度西瓜のような感じになって来て(つまり、たてにすじが入っているような)又床に戻ってしまいました。わきに小卓子をひきよせて書いて居ります。熱は朝六・六、ひる六・八でした。それ故明日行ってくれる筈の手塚さんにハガキを出してことづけをたのみました。
そちらからかえって来た座布団、まるでかたくなりましたね、余り綿を入れすぎていて、かたまってしまったのでしょう。あれは去年咲枝がおくりものとしてこしらえ、大いに奮発して綿を入れさせ、哀れや、過ぎたるは及ばざるが如き有様ですね。