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ひきょうのにちりんき

秘境の日輪旗

蘭 郁二郎

「秘境の日輪旗」少年文庫、新正堂、1942(昭和17)年9月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,829 字 · 169 页

青空文庫

ものが、船の動揺で崩れ落ちないように、しっかりと鉄骨にくくりつけられ、うず高く積みこまれていた。

鉄骨は大体三段の床に組立てられ、英夫たちのいる床から、もう一段下へ通ずる階段があり、その上へも互い違いに二段になった階段が、両側についていて、天井のハッチに出られるようになっていた。

「あすこが賄部屋にあたるところですよ」

宮崎運転士が、二段目の上を指さした。

話し声は、天井にこだまして、ひどく大きく聞えた。

一ばん下の床から、懐中電灯で、念入りに調べ上げ、二段目の階段を上りかけた時、入口の扉が開いて、誰か入って来たような気配がした。

「宮崎さん! 船長、上甲板で呼んでるよ」

支那人の水夫の王が、のっそりと立っていた。

「あっち、こっち、水もり出して、みんな転手古舞、大へんあるよ」

「よし、直ぐ行くから、お前先へ行っていろ……」

追い出すようにいってから、宮崎運転士は英夫の方にふりかえって、

「……じきにすむと思うんですが、どうします?」

「その間僕に調べさして下さい」

英夫は思いきっていった。

「じゃあ、こうして下さい。外から錠をおろして行きますから、その間この上の方を調べて見てくれませんか、懐中電灯を渡しておきますから。