轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くいどうらく

食道楽

村井 弦斎

秋の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,435 字 · 329 页

青空文庫

すると妻君箪笥の抽斗から料理屋の受取書を出して、これは先日貴郎のお召物を畳んだ時袂から落ちましたが料理代の外に芸者の玉代と祝儀立替二円と書いてあります。貴郎はちょいと酒の対手に呼んだ芸者へ二円の祝儀を出しておきながら私と腹の子と二人の命を預かってもらう産婆さんには一円でも高いとおっしゃいますかとこう一本突込まれて亭主は渋々ながら二円の祝儀を出したという事です。随分世中にはそれに似たような事が沢山ありますよ。それよりもモットおかしいのは病気にならない前には食物の事へ無頓着でいて、病気になってから急に食物衛生を大騒ぎやったりあるいは医者にかかって高い薬を飲んだりするのです。殊に暑い時分の病気は大概胃腸病に原因しないものはありません。第一番に来るのが夏痩せという一種の営養不足です。夏になると脂濃いものは不消化だから淡泊な食物に限るといって我慢して不味い物ばかり食べるような人は営養不足殊に脂肪分の不足で痩せるのです。夏の食物と冬の食物とは自らその種類と配合とを違えなければなりませんけれども物には程と加減があって一方に偏すると害が起ります。全体日本人の食物は平生脂肪分に欠乏している処へ夏になったからといってわざわざ一層脂肪分を避ける癖があります。