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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
秋の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,435 字 · 329 页
第百九十七 鳥料理
そうすると百二、三十目違います。ですから鶏肉を使う商売の巧者な人は切抜いくらという相場で買います。即ち鶏の前胃を切抜いて正味の重量をかけて買います。貴嬢方がお買わせになると三百五十目の鶏といっても正味二百七、八十目よりありません。残余は皆んな胃袋と腸の重量のみですアハハ」と仔細を聞いて玉江嬢も呆れ「オヤオヤ」
○病死したる鶏は眼に水気を帯び肉は紫色あるいは紫色の斑点を呈し肛門より臭気ある糞を漏すものなり。
○鶏の古きか新しきかを知るには先ず嘴を開き見るべし。口より粘液を漏しかつ眼球水気を帯びて活気なく羽毛容易に抜け羽毛の根に脂を附着するものは古く、眼球生前に異ならず羽毛も容易に抜けざるは新きものなり。また手にて肉を掴み見れば新しきものは肉と筋とが骨を離れて動くの感あり。古きものは肉骨に着きて容易に動かず。
第百九十七 鳥料理
材料を吟味すれば何の食品も一々精選せざるべからず。精選は智識の力なり、金銭の力にあらず。大原も今は漸く食物上の趣味を感じ「中川君、僕も今度朝早く飼禽場へ往って胸の膨らんだ肋骨の尖って肛門の締った足の黄い若鶏を買って来て家で料理してみよう。