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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
秋の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,435 字 · 329 页
第二百一 大混雑
○本文にあるマンゴーは手に触れて少しく軟く感ずる時分を食頃とす。それ以前にありては味悪くそれ以後にありては酸味あり。
○マングスタンの皮は干しおきて下痢せる際に煎じて服用すれば治するという。
○菓物の中にて梨は熱を冷すの功あり。熱ある病人には梨の液のみを飲ましめてよし。また局部に充血の熱ある時は梨を摺り卸して貼くるも功あり。栗は下痢を止むるの功あり。柿はアルコール分を吸収するもの故に酒の酔を醒ますの功あり。
第二百一 大混雑
時間には後れたれどともかくも停車場へ赴かんと大原は中川家を辞して門外へ出でたる途端、走り寄って武者振り付くお代嬢、あまりの悔しさに口も利き得ずして大きな涙をボタボタと落し「満さん、今までここにあにしていただ。わしゃ業が煮えて煮えて、チエー悔しい」と身を顫わせ四辺を憚らぬ大声にて怒鳴り立てる。大原は進退ならず「お代さん、どうぞ放して下さい。僕は今ここへ寄って少し遅くなったのです。急いでお迎いに往かねばなりません」お代嬢「今っから何処さあ迎いに往くだ。モー疾っくに新橋へ着いた時分、今頃迎いに往たって誰がいるもんか。それよりも満さんは今まであの子とあにしていただ。