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くいどうらく

食道楽

村井 弦斎

秋の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,435 字 · 329 页

青空文庫

第百九十四 鮎と犢

とお登和嬢の注意。

○鳥のスープは鳥を骨ともブツブツに切り三百目位の鳥一羽に水四合位の割合に入れ強火に掛けて煮上りたる時上に浮きし泡を掬い取り玉葱一個、人参二本、塩少しを入れおよそ二時間ほど弱火にて煮るなり。その他は本文スープに同じ。

○鳥のロースの残骨や肉屑等総べて料理の屑を少しの野菜とともに長く煮てスープを取れば料理物の味付や濁りスープに用いらるべし。

○総べてスープは強火にて煮れば濁りやすきものなれば弱火にて気長に煮るべし。弱火にて長く煮たるスープは濁らず。

第百九十四 鮎と犢

鮎の料理は主人が今日の心尽しなり。その味の佳なる事また都門半腐の者に似ず、広海子爵は丁寧に賞翫して首を傾け「中川さん、私も鮎が好きで諸国の鮎を食べましたがこんな美味しい鮎は初めてです。お料理方も違うのでしょうが鮎の味が格別ですな」と頻に感心する様子。中川もいささか鼻が高し「それは私が昨日わざわざ汽車で遠方まで出掛けて自分で極く上等の鮎を釣って参ったのです。鮎の講釈は先日玉江さんに申上げましたけれども昨日は幸い極く上等の鮎が手に入りました」玉江嬢もまた味の美なるを賞し「これはどういう風にお料理なすったのです」