轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さぶ

さぶ

山本 周五郎

「週刊朝日」 1963(昭和38)年1月4日号~7月5日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 210,521 字 · 415 页

青空文庫

「どうして」と栄二はきつい調子できき返した。

さぶは言葉に詰ったのだろう、包みを解いて六つの折詰をそこへ並べ、そのうち二つを栄二のほうへ押しやりながら、これはおのぶが栄二のために作ったもので、うまくはないかもしれないが躯に精をつけるものだから、と云ったということづけを、しどろもどろに述べた。

「こっちの四つは、部屋の人たちにあげてくれってね、そういうことだったんだが」

「今日もすみよしから来たのか」

「おすえちゃんもいっしょなんだよ」

栄二は自分を抑えるように頷き、それから静かにきいた、「――おすえもいっしょに来ているのか、それともすみよしへいっしょにいったっていうのか」

さぶは困惑したように口をつぐみ、右手の甲で額をこすった。なにか云いそびれているともみえ、云うべき言葉がみつからないようにも思えた。そして、まるで逃げ道でも発見したように、四つの折詰を持って立ちあがり、小屏風の外へ出ていって、与平にそれを渡しながらくどくどと挨拶をした。栄二は蒲団に凭れたまま、腕組みをして眼をつむった。なにを云いそびれているんだ、なにかあったらしいが、いったいどんなことだ、と彼は思った。