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さんごくし
三国志
吉川 英治
06 孔明の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 161,356 字 · 323 页
大いに理由がある。一同も彼の言を支持したので、玄徳は早速一書をしたため、孫乾にさずけて荊州へつかわした。
劉表は、玄徳の書簡を見て、襄陽の会が蔡瑁の陰謀に利用され終ったことを知り、もってのほかに立腹した。
「蔡瑁を呼べっ」
いつにない激色である。そして蔡瑁が階下に拝をなすや否、頭から襄陽の会の不埓をなじって武士たちに、彼を斬れと命じた。
蔡夫人は、兄の蔡瑁が召し呼ばれたと聞いて、後閣から馳け転ぶようにこれへ来た。そして良人の劉表へ極力、命乞いをした。妹の涙で蔡瑁は助けられた。孫乾もまた、
「もし、ご夫人の兄たるお方を、お手討ちになどされたら、主君玄徳は、かえって二度と荊州へ参らないかも知れません」と、そばから口添えしたので、劉表も彼を免すに免しよかった。
けれど、劉表は、なお心がすまなかった。孫乾の帰るとき、嫡子の劉を共に新野へやって、深く今度のことを謝罪した。
玄徳は、かえって痛み入るおことばと、劉※(「王+奇」、第3水準1-88-6)に厚く答礼した。その折、劉※(「王+奇」、第3水準1-88-6)はふと、日頃の煩悶を彼にもらした。
「継母の蔡夫人は、弟の※(「王+宗」