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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

吉川英治『三国志(五)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。

N1 · 挑战 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 页

青空文庫

曹操はいずれにせよ、にわかに決定できない大事と、深く要心していたので、

「それも一策だ」と、蒋幹の乞いを容れた。

蒋幹は、小舟に乗って、以前のごとく、飄々たる一道士を装い、呉へ上陸った。

そのとき呉の中軍には、彼より先に、ひとりの賓客が来て、都督周瑜と話しこんでいた。

襄陽の名士徳公の甥で、統という人物である。

※(「广+龍」、第3水準1-94-86)徳公といえば荊州で知らないものはない名望家であり、かの水鏡先生司馬徽ですら、その門には師礼をとっていた。

また、その司馬徽が、常に自分の門人や友人たちに、臥龍・鳳雛ということをよくいっていたが、その臥龍とは、孔明をさし、鳳雛とは、※(「广+龍」、第3水準1-94-86)徳公の甥の――※(「广+龍」、第3水準1-94-86)統をさすものであることは、知る人ぞ知る、一部人士のあいだでは隠れもないことだった。

それほどに、司馬徽が人物を見こんでいた者であるのに、

(臥龍は世に出たが、鳳雛はまだ出ないのは何故か?)

と、一部では、疑問に思われていた。

きょう、呉の中軍に、ぶらりと来ていた客は、その※(「广+龍」