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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

吉川英治『三国志(五)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。

N1 · 挑战 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 页

青空文庫

、第3水準1-94-86)統だった。※(「广+龍」、第3水準1-94-86)統は、孔明より二つ年上に過ぎないから、その高名にくらべては、年も存外若かった。

「先生には近頃、つい、この近くの山にお住いだそうですな」

「荊州、襄陽の滅びて後、しばし山林に一庵をむすんでいます」

「呉にお力をかし賜わらんか、幕賓として、粗略にはしませんが」

「もとより曹軍は荊州の故国を蹂躙した敵。あなたからお頼みなくとも呉を助けずにおられません」

「百万のお味方と感謝します。――が、いかにせん味方は寡兵、どうしたら彼の大軍を撃破できましょうか」

「火計一策です」

「えっ、火攻め。先生もそうお考えになられますか」

「ただし渺々たる大江の上、一艘の船に火がかからば、残余の船はたちまち四方に散開する。――ゆえに、火攻めの計を用うるには、まずその前に方術をめぐらし、曹軍の兵船をのこらず一つ所にあつめて、鎖をもってこれを封縛せしめる必要がある」

「ははあ、そんな方術がありましょうか」

「連環の計といいます」

「曹操とても、兵学に通じておるもの。いかでさような計略におちいろう。お考えは至妙なりといえど、おそらく鳥網精緻にして一鳥かからず、獲物のほうでその策には乗りますまい」