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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

吉川英治『三国志(五)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。

N1 · 挑战 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 页

青空文庫

こういって、太守金旋をいさめたのは、城将のひとり鞏志という者だった。

「裏切者。さては敵に内通の心を抱いているな」

金旋は怒って、鞏志の首を斬ろうとした。

人々が止めるので、その一命だけは助けてやったが、彼自身は即座に戦備をととのえて、城外二十里の外に防禦の陣を布いた。

張飛の戦法はほとんど暴力一方の驀進だった。しかも無策な金旋はそれに蹴ちらされて、さんざんに敗走した。

そして城中へ逃げてきたところ、楼門の上から鞏志が弓に矢をつがえて、

「城内の民衆は、みな自分の説に同和して、すでに玄徳へ降参のことにきまった」

と、呶鳴りながら、びゅうんと弦を反らした。

矢は、金旋の面にあたった。鞏志は、首を奪って、城門をひらき、張飛を迎え入れて、元来、玄徳を景慕していた由を訴えた。

張飛は、軍令を掲げて、諸民を安んじ、また鞏志に書簡を持たせて、桂陽にいる玄徳のもとへ、その報告にやった。

玄徳は、鞏志を、武陵の太守に任じ、ここに三郡一括の軍事もひとまず完遂したので、荊州に留守をしている関羽のところへもその由を報らせて、歓びをわけてやった。

すると、関羽からすぐ、返書がきて、