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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
吉川英治『三国志(五)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。
N1 · 挑战 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 页
と、答えた。
玄徳はだまって眼をしばたたいた。劉璋に対して愍然たるものを抱いているような眸である。
「ああ。お気の弱い」――※(「广+龍」、第3水準1-94-86)統は彼の胸をすぐ看破した。そして、
「君。何のために、この山川の嶮しきをこえ、万里の遠くへ、将士をつれて来ました」
と、直言し、さらに、
「明日、答礼の酒宴にことよせて劉璋をお招きなさい。決断が大事です。小さい情にとらわれているときではありません」と、切々説いた。
そこへ法正も来て、
「成都に留守している張松も、疾く書簡をよこして、この期を失わず、事を計れと、内応の諜しあわせを云いよこしています。……あなたが蜀をお取りにならなければ、結局、この蜀は、漢中の張魯か、魏の曹操に奪られるものです。なにを今さら、お迷いになることがありましょうぞ」
と、口を極めて励ました。
もとより入蜀の目的はそれにある。玄徳とてここに来て思い止ったわけではない。彼はただ自己の心の中の情念と闘っているだけだ。すなわち建安十七年の春正月、こんどは彼が主人になって、劉璋を招待することにきめた。
三
「長夜の宴」とか「酒国長春」