轻松读懂日语经典作品
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ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
「朝日」博文館、1929(昭和4)年1月号~1930(昭和5)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 181,795 字 · 359 页
もっと邪推することが出来る。父は系図帳の表紙裏の暗号文を手に入れる丈けでは満足しなかったのだ。若しあの暗号文が、財宝のありかを示すものだとしたら、それ丈けを手に入れた所で、本当の所有者である初代さんはまだ生きているのだから、どんなことで、それが分って取戻されないものでもない。そこで、僕と初代さんと結婚させれば、そんな心配がなくなってしまう。財宝も、その所有権も父の家のものになる。僕の父はそんな風に考えたのではないだろうか。あの熱心な求婚運動は、そうとでも考える外に、解釈の下しようがないじゃないか」
「でも、初代さんが、そんな暗号を持っていることが、どうして分ったのでしょう」
「それはまだ、僕等に分っていない部分だ。だが、初代さんの記憶にあった例の海岸の景色から想像すると、僕の家と初代さんとは、何かの因縁で結ばれていることは確かだ。若しかしたら、僕の父は小さい時分の初代さんを知っているのだ。それが、初代さんは三つの時に大阪で捨てられたので、多分父にも最近までは行方が分らないでいたのだろう。と考えると、初代さんが暗号文を持っていることを、父が知っていたとしても、少しも不合理ではない。