轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

「朝日」博文館、1929(昭和4)年1月号~1930(昭和5)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 181,795 字 · 359 页

青空文庫

魔の淵の主

彼はそう云って、穴へ這入って初めて煙草を銜えて、蝋燭の火をうつしたが、「蝋燭も倹約しなくっちゃあ」と云って、そのまま吹き消してしまった。文目もわかぬ闇の中に、彼の煙草の火が、ポッツリと赤い点を打っていた。

煙草好きの彼は、井戸へ這入る前、トランクの中に貯えてあったウェストミンスタアを一箱取出して、懐中して来たのだ。一本目を吸ってしまうと、彼はマッチを費さず、その火で二本目の煙草をつけた。そして、それがなかば燃えてしまうまで、私達は闇の中で、黙っていた。諸戸は何か考えているらしかったが、私は考える気力もなく、ぐったりとうしろの壁へよりかかっていた。

魔の淵の主

「この外に方法はない」闇の中から、突然諸戸の声がした。「君はこの洞穴の、凡ての枝の長さを合せると、どの位あると思う。一里か二里か、まさかそれ以上ではあるまい。若し二里あるとすれば、我々はその倍の四里歩けばよいのだ。四里歩きさえすれば確実に外へ出ることが出来るのだ。迷路という怪物を征服する方法は、この外にないと思うのだよ」

「でも、同じ所をどうどうめぐりしていたら、何里歩いたって仕様がないでしょう」