轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
「朝日」博文館、1929(昭和4)年1月号~1930(昭和5)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 181,795 字 · 359 页
復讐鬼
「理論では、百に一つは出られる可能性はある。まぐれ当りで一番外側の大きな糸の輪にぶつかればいいのだからね。併し、僕達はもうそんな根気がありゃしない。これ以上一足だって歩けやしない。愈々絶望だよ。君一緒に死んじまおうよ」
「アア死のう。それが一番いいよ」
私は寝入ばなのどうでもなれという気持で、呑気な返事をした。
「死のうよ、死のうよ」
諸戸もその同じ不吉な言葉を繰返している内に、麻酔剤の利いて来る様に、段々呂律が廻らなくなってきてそのままグッタリとなってしまった。
だが、執念深い生活力は、その位のことで私達を殺しはしなかった。私達は眠ったのだ。穴へ這入ってから一睡もしなかった疲れが、絶望と分って、一度に襲いかかったのだ。
復讐鬼
どれ程眠ったのか、胃袋が焼ける様な夢を見て、目を醒した。身動きすると、身体の節々が、神経痛みたいにズキンズキンした。
「目がさめたかい。僕等は相変らず、穴の中にいるんだよ。まだ生きているんだよ」
先に起きていた諸戸が、私の身動きを感じて、物優く話しかけた。
私は、水も食物もなく、永久に抜け出す見込のない闇の中に、まだ生きていることをハッキリ意識すると、ガタガタ震い出す程の恐怖に襲われた。