轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

「朝日」博文館、1929(昭和4)年1月号~1930(昭和5)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 181,795 字 · 359 页

青空文庫

犯人は(アア、それは僕の親爺のことだ)当然こんな風に考えたに違いない。そこで、深山木氏が一たん鎌倉に引上げるのを待って、初代さんの場合と同じ、誠に巧妙な手段によって、白昼群集のまっただ中で、第二の殺人罪を犯したのだ。何故島にいる間に殺さなかったか。それは、父が東京にいたからだ、とは考えられないだろうか。蓑浦君、僕の父はね、僕にちっとも知らさないで、此間からずっと、この東京のどこかの隅に隠れているかも知れないのだよ」

諸戸は、そう云ったかと思うと、ふと気がついた様に、窓の所へ立って行って、外の植込みを見廻した。つい目の先の繁みの蔭に、彼の父親がうずくまってでもいるかの様に。だが、どんよりと薄曇った真夏の庭には、木の葉一枚微動するものはなく、物音も、いつもやかましく鳴続ける蝉の声さえも、死に絶えた様に静まり返っていた。

「どうして僕がそんなことを考えるかと云うとね」諸戸は席に戻りながら続けた。「ホラ、友之助の殺された晩ね、君がここへ来る道で腰の曲った不気味な爺さんに会ったと云った。しかも、その爺さんが僕の家の門内へ這入ったと云った。だから、友之助を殺したのはその老人かも知れないのだ。