轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
「朝日」博文館、1929(昭和4)年1月号~1930(昭和5)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 181,795 字 · 359 页
僕がここを抜け出すまで待っていられない。
明日空が晴れていたら、午後四時頃(もっと早く行く方が確かだ)烏帽子岩へ行って、石の鳥居の影を注意してくれ給え。多分その影が石地蔵と重なる筈だ。重なったら、その時間を正確に記憶して帰ってくれ給え」
私はこの命令を受取ると、急いで徳さんの小屋へ帰ったが、その晩は呪文のことの外は何も考えなかった。
今こそ私は、呪文の「神と仏が会う」という意味を明かにすることが出来た。本当に会うのではなくて、神の影が仏に重なるのだ。鳥居の影が石地蔵に射すのだ。何といううまい思いつきだろう。私は今更らの様に、諸戸道雄の想像力を讃嘆しないではいられなかった。
だが、そこまでは分るけれど、「神と仏が会うたなら、巽の鬼を打破り」という巽の鬼が、今度は分らなくなって来る。丈五郎が大間違いをやっているというのだから、土蔵の鬼瓦ではないらしい。と云って、その外に「鬼」と名のつくものが、一体どこにあるのだろう。
その晩は、つい疑問の解けぬままに、いつか眠ってしまったが、翌朝、この島には珍らしいガヤガヤという人声に、ふと目を覚ますと、小屋の前を、船着場の方へ、聞き覚えのある声が通り過ぎて行く。