轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
「朝日」博文館、1929(昭和4)年1月号~1930(昭和5)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 181,795 字 · 359 页
やっとして、冷静に返った諸戸が、低い声で云った。
「すると、あの秀ちゃん吉ちゃんの双生児も」私は機会を見出して尋ねた。「やっぱり作られた不具者だったの」
「無論さ」諸戸ははき出す様に云った。「そのことは、僕には、例の変な日記帳を読んだ時から分っていた。同時に、僕はあの日記帳で、親爺のやっている事柄を薄々感づいたのだ。何故僕に変な解剖学を研究させているかって云うこともね。だが、そいつを君に云うのはいやだった。親を人殺しだと云うことは出来ても、人体変形のことは、どうにも口に出せなかった。言葉に綴るさえ恐ろしかった。
秀ちゃん吉ちゃんが、生れつきの双生児でないことはね、君は医者でないから知らぬけれど、僕等の方では常識なんだよ。癒合双体は必ず同性であるという動かすことの出来ない原則があるんだ。同一受精卵の場合は男と女の双生児なんて生れっこないのだよ。それにあんな顔も体質も違う双生児なんてあるものかね。
赤坊の時分に、双方の皮をはぎ、肉をそいで、無理にくっつけたものだよ。条件さえよければつかぬことはない。運がよければ素人にだってやれぬとも限らぬ。だが、当人達が考えている程、芯からくっついているのではないから、切離そうと思えば、造作もないのだよ」