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しきぶこうじ

式部小路

泉 鏡花

「大阪毎日新聞」1906(明治39)年1月1日~1月27日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 74,847 字 · 149 页

青空文庫

抜けるほど色の白い処へ、その姿だから、媚かしさは媚かし、美しさは美ししで、まるで画に描いたように見えましたって。

こりゃ何んです、小石川青柳町、お夏さんで名がついた、式部小路の内に居る、お賤ッて女房がちょうどその時、行燈を持って二階へ上って、見たんでがすと。

ね、洋燈と取替に行ったんですと。先生、話はいろいろになりますが、お賤というのは洲崎で引手茶屋をしていたんで、行燈組でね、ことにお嬢さんには火が祟る、とかいっていたんだから、あの陽気家を説き伏せて、残燈は行燈と取極めたんでさ……洋燈はかんかん明かった。

すぐに消そうとすると、

(お待ち、見えなくなるわ。)ッてくちを抜いた。芬と薫ったでしょう。

(まあ、佳い匂でございますこと。)

(光ちゃんが好なの。)

光起さんの事でさ。――

(私にこの匂をさして、抱こうと思ったって、そうはいかない。)

ちとやんちゃん。もっともね、少し飲んでいたんだそうで。

(ねえ、愛吉。)

と声をかけた。奴は、ぎごちなさそうに小さくなって、半分もぐりながら、目ばかり、ぱちぱち。」

「じゃ、愛吉は、」と遠山が口を入れた。

「勿論、枕を並べて。