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しきぶこうじ

式部小路

泉 鏡花

「大阪毎日新聞」1906(明治39)年1月1日~1月27日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 74,847 字 · 149 页

青空文庫

そうかと思うと、そこいらの乞食小僧を、三人四人、むくんだ茄子のどぶ漬のような餓鬼を、どろどろと連込んで、食いねえ食いねえッて、煮ッころばしの湯気の立つお芋を餌に買って、ニヤニヤ笑いながら、ぐびりぐびり。

何でもそいつらを手馴けて、掏摸や放火を教えようッていうんです。かかったもんじゃありませんや。

ところがね、おかみさん、女ッてものは不思議とこう、妙に意固地なもんで。四丁目の角におふくろと二人で蜆、蠣を剥いています、お福ッて、ちょいとぼッとりした蛤がね、顔なんぞ剃りに行ったのが、どうした拍子か、剃毛の溜った土間へころりと落ちたでさ――兇状持には心から惚れて、」

と密と言って厭な顔色、ちと遺恨があるらしい。

「(愛吉さん、詰らないもんですが、)

なんてやがって、手拭や巻煙草を運びまさ。

いつか中も、前垂の下から、目笊を出して、

(お菜になさいな、)

と硝子戸を開けて、湯あがりの顔を出す、とおかみさん。

珍らしく夜延でもする気がして、火の玉め洋燈の心を吹きながら、呼吸で点れそうに火をつけていた処。

(入ッて遊びねえ、遊びねえよ。)

ッたが、初心ですからね、うじうじ嬌態をやっていた、とお思いなさい。