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しきぶこうじ

式部小路

泉 鏡花

「大阪毎日新聞」1906(明治39)年1月1日~1月27日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 74,847 字 · 149 页

青空文庫

なさりませんか、)といいますとね。

どど一か端唄なら、文句だけは存じておりますが、といって笑顔になって、それはお花見の船でなくッては肖りません。ここはどんな方のお邸でござんすえ、ッて聞かれたから、(こりゃ関戸とおっしゃる御華族でいらっしゃる。)と答えますと、華族さんなの。それでは町人が来ては叱られましょうッて莞爾しました。」

お夏はその時町人といった。

「痛快でがした。――

服装といい、何となく人形町時分から見ると落着きが出て気高い。私最初はその関戸伯爵の姫様と間違えて、突然低頭に及んだくらいで、天下この人に限ってはとは思うが、そこは女。

実は乗りたや玉の輿で、いずれ、お手車処は確に見える。自然と気ぐらいが高くなっているのであろうと、浅はかにも考えたが―違いました。

この江戸児、意気まだ衰えず、と内心大恐悦。大に健康を祝そうという処だけれども、酒ますまい。そこで、志は松の葉越の月の風情とも御覧ぜよで、かつその、憚んながら揶揄一番しようと欲して、ですな。一ツ召食れ、といって件の餡ものを出して突きつけた。」

「柳屋のに、」

と金之助は眉を顰めた。

丹平泰然として、