轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
その結果、高御曹司の横恋慕が泛かびあがった。そして彼をめぐる取巻き連の陸謙、富安などという阿諛佞奸な輩が、巧みに林冲を陥穽に落したものとわかってきた。――またそれは林冲が奉行白洲で訴えた寃罪のさけびとも合致していた。
「これまでの謎も、すべて私には解けています。この林冲をなきものとし、私の妻を奪わんとする高御曹司の執拗な呪咀が、さまざまな形となって、わが妻と家庭を悩まし脅かし通してきたものに違いありませぬ」
――それは主席の奉行も認めた。けれど、奉行にしろ高家の睨みは恐い。たとえ寃罪の証拠証人をならべ得ても、無罪にするわけにゆかず、死罪以外の処刑もどうかと、ためらわれた。
「じゃあ、お奉行に伺いますが……」
と、孫与力は、処刑判決のさい、日ごろの仏の孫さんにも似ず、色をなして詰めよった。
「この奉行所は、朝廷と民とのためにあるのでなく、高大将家のためにあるものでしょうか」
「孫定、なにを申すか。それはちと過言だろうが」
「でも、お奉行のごとき憚りをもてば、あだかも、高家の私設奉行所のごとき観を、庶民に与えるのではございませんか。……さなきだに、高家の専横と、高御曹司の非行などは、口には出さねど、開封の都民はみな見て知っておりますからな」