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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
自分たちの手で、息の根を止めるのは不気味だとみえ、お頭の※(「登+おおざと」、第3水準1-92-80)龍さまに、ご処分を願いますッて、口を揃えての嘆願なんで」
「そうか。いまの騒ぎはそれだったのか。よしっ、料理してやろう。これへ連れてこい。……が、待て待て、縄付きにしても厳重に取り囲んでこいよ」
やがてのこと。
石弩、針縄、逆茂木などで守られた柵門を三つも通って、一群の百姓と縄付きの大坊主が、大勢の賊に前後をかこまれて登って来た。――そして来るやいな、魯智深は、いきなり背を小突かれて、階の下に膝をついた。百姓たちも揃って、龍の姿を仰いでぬかずいた。
「お頭でございますか。この大坊主のためにゃ、わしら村の者は、どんなに泣かされたか知れません。どうかご存分に、八ツ裂きにでもしてやっておくんなさいまし」
「むむ。よくやった。きさまが居酒屋の曹正か」
「うんにゃ、ちげえますだ」と、その百姓は、クスンと鼻皺を寄せて、隣に控えていた、もひとりの百姓の顔を見た。これなん、百姓姿に化けた青面獣の楊志であったとは夢にも知らず、※(「登+おおざと」、第3水準1-92-80)龍はジロとその巨眼を、曹正のほうへ移して。