轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
「あつかましゅうございますが、どうも年よりを連れては、野宿もなりかねまして」
「遠慮はない。家も広い。こよいはご老母にも、ゆっくり手足を伸ばさせてあげるがよい」
しばらく、さりげない話に過ごした。しかし、やがて退きさがってゆく王進の物腰を、あるじの太公は、雪の眉から、何やらじっと、見送っていた。
翌朝。――太公は好きな茶を煮て、王進を待っていた。が、いつまでも、起き出てこないので、自身、房へ行ってみると、王進の母が、ゆうべ夜半から持病をおこして、今朝もまだ、子の介抱にうめきを怺えている様子だった。
「なんじゃ、はやく告げて来ればよいに」
太公は、すぐ薬嚢をとりよせて、自身、煎薬を調じてくれた。のみならず、幾日でもここで養生するように――ともいってくれる。
「ご恩は、忘れませぬ」
七日ほどたった。持病もおさまり、母の顔いろもよくなった。で、今朝は早くここを立とうと、王進は、自分の馬を、厩のほうへ見に行った。
すると、まだ早暁の靄、みどりの露、肺の中まで青々と染まりそうな柳ばやしのうちで、えいッ、おうッと、誰やらさかんな気合いを発している者がある。
王進は、ふと耳を打たれて、振り向いた。