轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
とてもじっと隠れてはいられない。
「ああ。これまでか!」
よろめいた途端である。そこは内庭の出口か、或は壁でも腐っていたのだろうか。彼の体は、玉垣の中へまろび落ちていた。見ると左右二列の渡廊を抱えて、青瓦も草に埋み、あたりは落葉に寂たるままな社殿があった――宋江は夢中で階を這いあがった。饐え朽ちた欄干を越え、異様な黴の匂いやら蜘蛛の巣やらを面で払った。そして最も奥の深いところの御厨子の内へかくれこんだ。
めりめりッと、どこかを踏み破るひびきがした。つづいて趙能、趙得ふたりの影が、手下に松明を持たせてどやどやと踏み込んで来た。ここの本殿も広くはない。宋江は早や観念の目をとじた。
すると、ごうッとばかりな山風があたりを揺すッた。いや、たんなる山颪しとも思えないそれは悽気をふくんだ家鳴りをなし、とたんに、天井でも落ちてきたような塵埃のかたまりが、墨みたいに捕手たちの松明を吹きつつんだ。――趙能と趙得の二人は、ともに眼をおさえて、
「うッ……。いけねえ。な、なんだ、この大風は」
「ひょっとすると?」
彼らはひとしく、ぞーっと、身の毛をよだてた顔つきだった。
手下の七、八人はもう横ッ跳びに外へ逃げ出していたのである。