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にっき
日記
宮本 百合子
27 一九四四年(昭和十九年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 62,807 字 · 126 页
当時のデマゴギーに反撥する空気の中で陳述されたから、その影響は見られる。西沢は大串に逃亡されたことから嫌疑をかけられ除名になったため、実際以上にスパイに対する自分の態度を明白にしようとする心理から、殺意を積極的に否定することをしなかったのは明かである。彼の犠牲的な人格は「過去いかんにかかわらず新しく評価されるだろうと信じます」菊地甚一の鑑定書の検討において、極めて有効に現行法医学の所謂「性格学」の機械的適用の誤りを指摘し、宮に対する当局者の先入的偏見を除去する方向がとられた。同時に菊地の言を検討することによって、治維法被告としての陳述というものについての基本的態度を明瞭にし、前々回において、裁判長が、個人的経歴を訊きはじめたことを封じた。菊地の検討は極めて適切であった。
○不法監禁について。
「スパイは、党を堕落させようとして、金銭の拐帯等を教唆し、其は本人等が予審でのべているとおりであります。党員はかれらによって、窃盗罪にひき入れられようとするとき、それから守るためにそれら現行法によっても犯罪と認められることを防止するために、自由を束縛するのは正当防衛であると信じます」