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にっき

日記

宮本 百合子

27 一九四四年(昭和十九年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 62,807 字 · 126 页

青空文庫

袴田が一審で無期を求刑され其が二再で十五年となり更に十二年となったのには、情状による酌量というよりも明らかな法律的根拠があった、即ち、第一審で附加せられていた殺人は第二審でとりのぞかれていたのであるから控訴判決によらない検事の御論告は理解しがたいところである。

弁護人というものは或場合裁判所を信用しないものであるが、被告は話しすればきっと分って下さるという信念と熱心とをもって陳述し、少くとも三度は裁判長キヒがあろうと思っていたところそういうこともなく順調に進んだのは、裁判長の御人格のしからしめるところであると共に被告の信頼を語っているものと思います。

スパイを使うのはやむを得ないとして、使い方があくどかった。これは国家の恥である。大なる善のために小なる悪を敢てしたのならば、その小なる悪について一半の責任を国家も負ってよいのではないか」

等、おだやかながら努力した。

栗林のは問題にならず。確信犯人というところを強調し、スパイに対す制裁について、宮が努力を傾けて暴力否定をしているのに、其を肯定したような駄弁を弄した。

十一月十七日(金曜)

瀧川帰京。

十一月十八日(土曜)