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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
05 一九三八年(昭和十三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 229,387 字 · 453 页
私はプランにしたがって一層充実した勉強をしつつ、そういういろんな点で勤労に近くいて暮します。これは今の事情の下では大変いい暮し方で、それを思いついて私たちはうれしい。その意味では張り切っております。どうか、ですから御安心下さい。生活力はいろいろの形をとって発露するものね。あなたがきのうこの話をきいて賛成していらしったし、笑っていらしったし、それもずいぶんいい気持です。私たちらしいでしょう。褒めていただいていいと思う。資金の方はまだよくわかりませんが、知人に専門家がいて肩を入れていてくれる由故いいでしょう。私たちのところにはまだ九〇〇ありますから、そのうちから光井へお送りした位まで私は投資するのよ。大した資本家でしょう。(これはうまくやりくりますから、あなたの方の御配慮は無用)正月のはじめは、そういうプランを立てるのにつぶしたからそろそろ又落付いて勉強をはじめます。夜更しが今度こそやまるでしょう。朝から午すこし過までにかけてみっちり毎日勉強し、基本的な勉強の本もよくよみ、やっぱりこの中にも愉しさはある。人間の生活は全く面白い。『婦人公論』の正月号にね、近角常観という坊さんが(禅)「一心正念にして直に来れ。