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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
05 一九三八年(昭和十三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 229,387 字 · 453 页
すこしは利いたらしい、盲腸に。
抑※(二の字点、1-2-22)モクソールを云い出したのは、疲労感があって、それがたまる感じだったからでしたが、八月の中頃以後(下旬ね)折々熱を感じてとって見て七度二三分まで出て、つかれの故と思い、注射が直すだろうと思っていた。それがひっこみ切りにならず。疲労の感じは増して来て、胸にひろびろと力のあるいい気持が失われ、座っていると、いつか胸と腹とを落している。それは、今もそうです。それに右の肩が千金の重さという風なので、自分で気になり出して、つい貴方に訴えたという次第です。今の条件で病気―疲れをつくっているのではなくて、疲れにしろ、疲れが出た、というのでしょうね。今目前を見て、何でつかれる? と考えて、これでつかれると云い得るほどのものはないのですもの。
糖の検査は昨夜もやる必要があると思いました。これは慶応です。林町の者が浅野さんという人にかかってやっている。そのひとにたのみます。これは早速やります。もしかしたら明日やります。一日がかりの仕事故。それで何もなかったら、もうたしかに疲れだけです。
こちらが健康喪失などしたら遺憾どころではないということは全くです。