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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

05 一九三八年(昭和十三年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 229,387 字 · 453 页

青空文庫

フランスでまでもそう? 私はこの頃こういう話は、もとよりも切ない心でききます。ものでも書こうという女は、その性格が妙なところが一応書く力となっているのもあるが、友人たちをみれば、やはり感じること深く、愛することの深いところから書いている。そういう女が、結婚生活、家庭生活で両立せず、様々に傷つくのは、本当に辛い。まだまだ、女が人間らしい積極さから行動しても、結果は受け身にあらわれ、数え立てられる世の中だから、女の生活をいとしく思うことが深くなるにつれ、自分の娘というものを、女親には娘がようございますわ、という気分で見られなくなって来るのですね。少年を見て感ある所以です。

きょうは、かえって髪を洗いました。それでも大丈夫。十二時半に昼飯前六度三分。

何と、じき枚数が重なるのでしょう。一日のうち頭の中を通ることは果してイクバクでしょう! このごろは、貴方への手紙しかものを書かない。糖の出ない安心はこのように心を活溌にさせています。現金で極りわるい位。

〔一枚目欄外に〕

この頃、大きいたっぷりした封筒が実にない。そのために手紙出しおくれて、しかも、こんなので