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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
05 一九三八年(昭和十三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 229,387 字 · 453 页
次は哲学者ルードウィッヒについて、次に哲学について、そしてこの家族から、更に経済の面と、二冊になっている哲学の本へ移るのが一番わかり易いようですね。
著作が、全体的な叙述、更にその重要な部分部分についての深め・解説として展開されている過程は、真面目な仕事ぶりというものについて大いに教えるところがあります。所謂ジャーナリスティックな文筆との相違が益※(二の字点、1-2-22)歴然として来る。こういう読書は適当の速度、量、一貫性で、次から次へと成長的にされる時、特に多くの収穫があることを感じます。(偶然の一冊は、何かを与えるにしろ、断片的で終りがちです。)そういう風に読むと、光が気持よく前後左右を照すような愉快があります。
二十八日。
きのうに比べてきょうは心軽やかにたのしく原っぱをかえって来ました。御自分で知っていらっしゃるでしょうか? この頃全体暖く流れているものの中でも特別に耀く一寸したあなたの頭のうなずきがあるのを。私はそれを実に貪婪に吸い込む、自分への特別なおくりものとして。何分間かのエッセンスとして。明日までの糧食として。きのうは、そのおくりものがなくてかえりましたから。