轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
05 一九三八年(昭和十三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 229,387 字 · 453 页
とか、そういう起伏が頻発する心理にあった。自称しぶとさ、は単なる驕慢というようなものとすこし違っていたのです。本質的には、弱さです。そういう微妙な状態の根底には、あなたへの評価、自身の卑下に於て、甘えたものがあった。だから、そういう妙な波のチラチラが起ったと思われます。
現在では、そういう点が大分ましになって来ていると思っている。例えば、あなたがそう仰云るからというような、それに対する従順さのようなもので着手したことが、次第に、自分にとって、自分のものとしてどんな価値があるか明瞭になって来て、成長のためのカルシュームとなって作用している。心理的な妙な凹みが癒って来ている。狭く、前へゆくあなた、ついて行く自分という感情から再び広くなって(広いところへ出て)、昨今では、おくれたり、遑てて駈け出したり、何かにひっかかったりしながらだけれども、自分でこぼす涙を手の甲でふりとばしたり、笑ったりしつつ、自分の劣っている面への意識にこびりつかず、伸びようとする意欲にしたがっている。
この間うちから、私が、生活へ新しい道を示す力の価値についてくりかえし歎賞した意味が、これで猶よく分っていただけたでしょう。