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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
05 一九三八年(昭和十三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 229,387 字 · 453 页
表のこと。上出来と云って下さって大いにうれしゅうございます。借金の下手な云いわけには、笑って、一言もない。
それから、一日のくらしかたの割あて、ね。勿論あれは正常な一日の大略であって、昨夜みたいにたまにはおそくなったり外出したり、午後じゅう出ていたり、あります。大体会が激減した。一般的に、それから私としての条件的に。作家は腰ぬけでね、雑誌にパタパタものを書かなくなると、気味わるがって、大抵作家の会へも呼ばない(中野も同じ)。だからああいうのが一週に僅か二日で、あと五日は番外つづきというのでもないのです(座談会なども全くなくなっているから)。生活は大変ちがって来ています。この年に入って、グーと急転回しているわけです。
環境についての補足。そうね。静止的に書かれていました。あの糸が流れ入り、この糸が流れ出るという風に描かなかった。この足かけ四年間(九―十三)の推移について。九年はいつかも書いたように一月十五日頃から六月十三日まで不在。十三日は母の死んだ日です。私は心臓に氷嚢を当てていた、その前から。その年は十月頃まで林町に暮しました。それまで東信濃町に住んでいた国男夫婦が林町へうつって来た。