轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
05 一九三八年(昭和十三年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 229,387 字 · 453 页
この間の小説の話も一言には表現し切れぬ多くのものがあると思われます。根本的な欠点は、時代から時代の推移があらわれている自然な一人物をとらえて来て(現実の中から)その主人公の人生への善意を描こうとしているのではなくて、或意図のもとに、歴史の血脈を否定して、志村と対立するものとして創り出した駿介を、作者があらかじめ枠をつくり各コマを区切った局面と心理との間へ、無理を押し切ってつめこんでいるところに、一般の読者を満足させなかったものがあったのは当然でしょう。
駿介が志村に反撥した時代、自分のからから動き出した原因、それらは極めて曖昧であり、現実に駿介のような存在は、尠いでしょう。作者は用心ぶかく駿介が耕す畑やなんか持っている条件を、そういう条件を皆持っていやしないという批評もあろうが、と予防しているが、どうしても、駿介が近頃文学にも流行のインテリゲンツィア無用風のタイプから、どうぬき出ているのか分らない。田舎の生活のこまごましたことはしらべてある。だからそのくっきりしたところが、真実のテーマである人間の動きの拵えものとの間にギャップをつくり、あの作品の不自然な観念と現実的細部との間のギャップの見えないものには、人間の非現実性を覆う作用を営んでいると思う。