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ひきょうのにちりんき

秘境の日輪旗

蘭 郁二郎

「秘境の日輪旗」少年文庫、新正堂、1942(昭和17)年9月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,829 字 · 169 页

青空文庫

艇長はひどく満足そうに眸をかがやかせた。

「さっき僕たちはその爆音をきいたんです、あの僕たちのYボートも僕たちを追跡して来たYボートも故障をおこしたのはそのためなんです」

「ああそれで、潮流が変化していたわけもわかった! これは大手柄だ! さっそく艦隊の司令官殿に報告しましょう」

二人は、海底要塞の爆雷に点火してから逃げるまでのことも話した。

黒人ボーイの気絶した話や、階段の途中であった要塞員の話をすると、艇長は、

「はっはっは……」

と、腹をかかえて笑った。

「今夜は一つ君たちのための祝賀会をやろう、司令官殿が会われるとおっしゃるかも知れないが、この艇でも心ばかりのお祝いをしなくちゃあいかん!」

「艇長、あのYボートに僕たちが乗ってることがどうしておわかりになったんです。僕たちのボートは砲撃されなかったようですが」

「それはね、実は君たちの乗っておることは夢にも知らなかったんだ、失敬だが、海底要塞を脱出することはまず不可能だと思ったから、僕もほとんどあきらめて、河井中尉をどういって慰めてやるか、そのことばかり考えておった、だから君たちのボートもこっちを攻撃して来たらやっつけるつもりだった、生意気にあの二隻はこっちを攻撃して来たから一弾ずつお見舞いして、片付けてしまったんだがね」