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ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
「秘境の日輪旗」少年文庫、新正堂、1942(昭和17)年9月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,829 字 · 169 页
「ねえ、英夫さん、祥子さん、わたしの家は、二百年も前からこの島の王だったんですよ、わたしで六代目です、ところが、今から百年ほど前に、イギリス人がこの島へやって来て、わずかな金で、わたしの祖先から領地を取り上げてしまった、うまくだまされてしまったんです。いや、日本のように、わたしたちを護って下さる神の国のお役に立つならただでもこの島は差上げますが、やつらと来ては、わたしらはじめ同胞を踏んだり蹴ったりです、だから、わたしは、日本軍の来るのをながい間待っていました。英夫さんの兄さんも、祥子さんの叔父さんも、ようくわたしの気持をわかっていてくれます。この二人の子供もじき東京へ留学にやります、……エスマル、エブラヒム、東京へ行ったら英夫さんや、祥子さんと仲よくしていただくんだね」
「そうですよ、お父様」
二人の子供たちが一緒に叫んだ。
「にっぽん、ばんざあい!」
王様は戦争中、日本軍の爆撃のおそろしかったことを話して聞かせた。
「わたしとこの庭には、一ところ、八百人以上も、マレー人が避難していましたが、爆弾はイギリス兵のいるところにばかり落ちて、こちらへは一発も来ないんです。