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ひきょうのにちりんき

秘境の日輪旗

蘭 郁二郎

「秘境の日輪旗」少年文庫、新正堂、1942(昭和17)年9月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,829 字 · 169 页

青空文庫

すると、前のようなおどろくべき文書であることがわかった。それについてもっと、くわしい事情をきくために、園部夫人に手紙で問いあわしてやると、小箱の中の古文書のほかに旦斎の記録があることがわかった。謙一もそれまでは、知らずにいたのだ。

記録の方は、マレーにいた祥子の叔父さんが持っていた。というのは、園部家の兄弟は二人とも、はやくから南方に目をつけていただけに、この文書の値うちに気がついて、ボルネオ探険を計画したことがあった。

ところが、祥子の父親は、弟を出し抜いて、自分だけ、こっそり、探険に出かけて行った。そして、何の手がかりもなく、空しく失敗におわった。――祥子の父親は、それ以来古文書を信じなくなった。

そんなことから兄弟の仲も悪くなり、お互いに往き来もしなくなったが、マレーの叔父さんだけは、祖先の残した記録をたよりに、いつかはボルネオの探険に出かけるつもりだった。

そこへ謙一が、日本の国のために、ボルネオの秘境の探険の計画をたて、意見を聞きにいって見ると、一も二もなく、大賛成をして、旦斎の記録もそっくり謙一の手に渡し、万事を一任してくれることになったのだ。