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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

」

ひそひそした話し声がしばらく続いていた。やがて二人はほぼ笹村の意嚮をも確かめて帰って行った。

「へえ……お気の毒ですね。」

お銀は客の帰った部屋へ入って来て、火鉢の傍へ坐った。

「三十七という年は、よくよく悪いんだと見えますね。私の叔父がやはりそうでしたよ。」

笹村は懈い頭の髪の毛を撫でながら、蒲団のうえに仰向いて考え込んでいた。注射をした部分の筋肉に時々しくしく痛みを覚えた。

「……伝通院前の易者に見ておもらいなすったらどうです。それはよく判りますよ。」お銀はまた易者のことを言い出した。

笹村は翌日早く、その易者を訪ねたが、その日はあいにく休みであった。帰りに伝通院の横手にある大黒の小さい祠へ入って、そこへ出ているある法師について観てもらうことにした。法師は綺羅美やかに着飾った四十近くの立派な男であった。在から来たらしい屈託そうな顔をした婆さんに低い声で何やら言って聞かしていたが、髪の蓬々した陰気そうな笹村の顔を時々じろじろと見ていた。指環や時計をぴかぴかさした貴婦人が一人、手提げ袋をさげて、腕車から降りて入って来ると、法師は笑み交すようにしおしおした目をした。