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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁
三十八
小野のところから訊いて来たら、どこへ行ったか解らない、とそう言ってやって下さい。この先はどうなるんだか、私にも解らないんですから。」
「じゃ、マア、行くんなら行くとして、今夜に限ったこともあるまい。」
店がにわかにドヤドヤして来た。酔漢は、咽喉を絞るような声で唄い出した。
三十八
しばらくすると、食卓がランプの下に立てられた。新吉はしきりに興奮したような調子で、「酒をつけろ酒をつけろ。」とお作に呶鳴った。
「それじゃお別れに一つ頂きましょう。」お国も素直に言って、そこへ来て坐った。髪を撫でつけて、キチンとした風をしていた。お作はこの場の心持が、よく呑み込めなかった。お国がどこへ何しに行くかもよく解らなかった。新吉に叱られて、無意識に酒の酌などして、傍に畏まっていた。
お国は嶮しい目を光らせながら、グイグイ酒を飲んだ。飲めば飲むほど、顔が蒼くなった。外眦が少し釣り上って、蟀谷のところに脈が打っていた。唇が美しい潤いをもって、頬が削けていた。
新吉は赤い顔をして、うつむきがちであった。お国が千葉のお茶屋へ行って、今夜のように酒など引っ被って、棄て鉢を言っている様子が、ありあり目に浮んで来た。