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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁
九
機嫌の取りにくい笹村の性質についても、深山の話に道理があるとも考えた。
「ほんとうにひどいことをしますよ。」
お銀は晩に通りまで散歩に行った時、伴の妹に話しかけた。
「私の手紫色……。」お銀は誇大にそうも言った。帰りに家の前で、「遊びにお出でなさいな。もし兄さんがいなかったら。」と、妹が声かけて別れて行くのを、笹村は暗い窓口から聞いていた。
怜悧な深山が、いつかお銀の相談相手になっているように思えた。
九
笹村との間隔が、だんだん遠くなってから深山は遠くへ越して行った。そのころは一時潤うていた深山の生活状態がまた寂しくなっていたので、家主のK―へやるべきものも一時そのまま残して行くことになった。後から笹村のところへ掛合いに来る商人も一人二人あった。
「お鈴さんから聞いてはいたけれど、随分めずらしい人ですね。」と、お銀が言っていたが、笹村も初めのように推奨する代りに、すべてを悪い方へ解釈したかった。深山に連絡している周囲が、女のことについて、いろいろに自分を批評し合っているその声が始終耳に蔽っ被さっているようで、暗い影が頭に絡わりついていた。
「あなたのやり方が拙いんですもの、深山さんと間たがいなどしなくたってよかったのに……。